製造業での生産管理システム導入の価格相場・初期費用・選び方

生産管理とは？

生産管理とは生産計画にもとづいて、予定通りに製品を出荷できるための体制を管理することをいいます。生産管理の具体的な業務内容や役割に関しては、企業によって多種多様なものがあります。また体制の管理についても、その範囲は幅広く存在しています。生産管理の主な業務内容には大きく分けて3つありますので、一つずつ見ていきましょう。

1．生産計画

製品を生産するにあたって、原材料の調達から生産数量の決定までの製品を作る工程を計画します。自社の製造ラインでどれだけの数量を生産できるのか計算することはもちろん、最終的にどのくらいの利益に結びつくのかも計画に盛り込まなければならないこともあります。

2．需要予測

需要と供給の関係では、製造業は供給する側です。需要がないのに生産数量を増やした場合には在庫過多となり利益が落ちてしまいます。需要と供給のバランスを計算し、需要に対して過不足が生じない数量を生産するために、需要の予測は必要不可欠です。

3．品質管理

生産の工程は作って終わりというわけではありません。製品の出荷後には顧客からクレームが入ることも想定しておかなければなりません。出荷後も品質の管理をするため、製造日時やロット番号などで製品を区分して管理しています。

製造業によくある生産管理の課題解決に特化したシステムを、生産管理システムといいます。生産管理システムは、製造業における「モノの流れ」と「情報の流れ」を統合的かつ総合的に管理するシステムで、効率的かつ精度の高い生産管理を実現し、生産における業務フローを最適化します。

アクシーズ株式会社では、工業用薬品製造業向け生産管理システム構築支援を行っております。業務の効率化についてご検討の場合は、ぜひお問い合わせください。

システムの相場は？

生産管理システムの価格帯は様々で、当然ですが機能の充実性や使いやすさによって費用は違いがあります。クラウドの生産管理システムを利用する場合、多くが期間・使用量・使用人数による課金制となっており、月額や年額といった単位で支払いを行います。

生産管理システムの価格については、ビジネスの現場で利用可能な物では月額数万円からが主流となっているようです。ただし、生産管理システムについては価格でシステムを選択するのではなく、業務に当てはまる必要とするシステムを選ばなければなりません。また、製造業の生命線ともいえるラインの情報をクラウドに預けるという危険性もあるのです。

オンプレミスでパッケージ製品を利用する場合に必要となるものを見てみましょう。

• パッケージ製品本体価格とカスタマイズ費用
• セットアップ費用
• ハードウェア等の設備費用

上記が必要となり、パッケージ本体の価格は高機能でシステム連携機能なども充実したものは数百万円単位が主流となっています。

詳細を確認するためには、パッケージの導入とそのカスタマイズを組み合わせたプランを持っているシステムベンダーと相談することで明確になるでしょう。オンプレミスで独自システム構築を考えた場合は、開発の依頼はSIerやシステムベンダーと呼ばれる業者に行うことになります。システムで実現することを決める要件定義（仕様定義）や設計・開発・試験などの各工程を実施するための工数によって料金が決まります。

システム構築は実現機能や方式により、複数のレベルの価格が考えられます。業務に合わせ生産ラインの設備、機器と連携可能な生産管理システムを構築する場合を考えると、ソフトウェア開発費用はパッケージ製品を利用した場合と同等かそれ以上となります。

オンプレミスで独自システム構築を行う場合にコストの削減を目指すのであれば、要件定義で必要な機能を決めることが大切です。

アクシーズ株式会社では生産管理システム構築支援を行っております。生産管理システムの導入をご検討の場合には価格や必要なカスタマイズなど、ぜひアクシーズ株式会社にお問い合わせください。

システムに必要なコスト

システム導入にどのような費用がかかるのか、こちらでは一般的な生産管理システムを導入する場合の費用を解説します。

1．ソフトウェアライセンス費用

1ライセンスごとの金額となります。Desk（事務管理）・Line（工程管理）・Term（現場管理）を組み合わせるのですが、1台のPCでどれを使うか決めます。

2．カスタマイズ費用

パッケージ本体のカスタマイズが必要な場合には、個別にカスタマイズの内容によって見積もりが必要になります。

3．ソフトウェア以外にかかる費用

セットアップ費用・教育費用・年間保守サポート費用（1年分）などおよそ200万～300万ほどかかるケースが見られます。

システムの選び方

生産管理システムで業務を効率化するためには、自社に適したシステムの選定だけでなく、各部署で活用できるように導入しなければなりません。選定するためにはどのような点を抑えればよいのか、5つのポイントを解説します。

1．自社の課題や導入目的を明確化する

自社にはどのような課題がありシステムではどの課題をどのように解決したいのかを、生産管理システムの選定をする前に整理しておかなければなりません。課題によっては、システムでは解決できないものもあるかもしれませんので、生産管理システムの豊富な種類の中から、どの機能を必要としているのかを明確にしておきましょう。明確にするためには、コンサルティング企業を活用するケースも少なくありません。

2．自社の業務形態に合うシステムを選択する

製造業といっても種類が様々なので、業種によって必要とする機能は異なります。業種別に必要な機能をパッケージ化しているシステムもあります。自社の業種にフォーカスしたものから検討を始めることが、効率的に選択肢を絞り込むために必要でしょう。

3．自社の生産方式に合うシステムを選択する

様々なシステムの中から、自社の生産方式に対応したシステムを選定しなければなりません。製造業の生産方式は、見込み生産や受注生産、ロット生産や個別生産など様々な生産方式に分かれます。企業によっては、製品ごとに複数の生産方式を取り入れている場合もあります。自社の生産方式に対応しているのか、また、複数の生産方式が混在していても対応可能かを、必ず確認しておかなければなりません。

4．クラウド型かオンプレミス型かを選択する

クラウド型とオンプレミス型、どちらを選択するかも検討しなければなりません。クラウド型は、初期費用を抑えられるのが特徴で、メンテナンスの手間も省くことが可能です。反面、自社に合わせて最適な形で構築していくのが困難だとされています。加えて、提供してくれている会社のサーバーに情報が保管されるので、セキュリティが厳しい企業にとってはリスクが懸念されます。

オンプレミス型は、初期費用やメンテナンスの手間がかかる反面、ある程度のカスタマイズは可能です。データの保管は自社のサーバーなので、セキュリティは非常に強固です。

5．操作性とサポートを確認する

システムの選定や導入が機能面では最適だったとしても、操作や業務フローが複雑になれば、社内で普及させることは難しくなるばかりか、システム担当者のサポートの手間もかかります。システムに不慣れな社員でも操作がしやすいかどうかも重要なポイントです。

また、基幹システムとなるため、システムに不具合が生じた場合に生産がストップしてしまうと損失が発生するので、そのような事態を避けなければなりません。24時間稼働させている生産ラインの場合には、トラブルの際には24時間体制でかけつけてもらえるかどうかを確認しておきましょう。